アネモネ手帖

小説家・三木笙子のブログ

目に映っていても見えていない思いこみの激しさ

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先日、職場近くの生協で麦茶を買いました。
かなり苦くて、変わった味の麦茶だと思いながらも最後まで飲みきったのですが、いざペットボトルを捨てる段になって、ラベルに「烏龍茶」と書かれているのに気づきました。
最初は「馬鹿だなあ」と笑っていただけでしたが、だんだん怖くなってきました。

 生協オリジナルの麦茶と烏龍茶は見かけが似ているので、間違えても不思議ではないのですが、実際飲んで味が違うと感じていたのに、「自分が買ったのは麦茶」と思いこんでいたから、他の物だとは思いもしなかった。
たぶん、ラベルも何度か見ているはずですが、目に映っていただけだったんでしょう。
目の前の現実と明らかに違うのに、思いこみが強すぎて、まったく正しく受け取れていなかったのでした。
これは怖い。

以前モルジブへ行ったときに、夫婦揃って具合が悪くなり、ああこれがよく聞く脱水症状かと、浴びるほど水を飲んだのにまったく良くなりませんでした。
万策尽きてベッドに転がっていたところ、テレビの上に置かれていた有料のお菓子がとても美味しそうに見えました。
確かドイツ製のポテトスナックだったと思います。
水も飲みたくない、ましてや食事なんか欲しくない状況下で、何だってジャンクフードなんか食べたいと思うんだろうと不思議でしたが、試しに食べてみたらとても美味しかった。
そしてあっという間に元気になりました。
バリバリ食べていてようやく気づいたのは、足りないのは水ではなく塩だということでした。
そりゃそうだ。
海から生まれた生き物だもの。

思いこむ力は本当に強くて、笑い話ですむうちはいいけれど、中には生死に関わるようなことだってあるかもしれない。
「何かヘン」という身体の声を聞きとって、自分の頭の考えや知識を疑わなけりゃ駄目だと改めて思いました。
そしてラベルはちゃんと読めワタシ。


この厄介な「思いこみ」も、何かをやり遂げなければならぬとき、危機を乗り越えなければならぬとき、便利な道具のようにして、うまく使うことができればいいんだけどな。

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