アネモネ手帖

小説家・三木笙子のブログ

自分で稼ぎなさい

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オコジョさん(夫)は感情的な物言いをなさらない方で、私がどんなにトンチキなことを言っても、筋道を立てて言って聞かせるという、大脳新皮質がきちんと発達した方です。
たとえば金銭の話だと、

 

「いいですか。僕の給料が突然上がることはないんですから、贅沢をしたければ自分で稼ぎなさい」

 

いや、ごもっとも。

 

「ワタシ稼ぎが悪いからなあ」
「貴女は稼ぎが悪いのではありません。遣い方に問題があるのです」

 

主人はやかましくて、家計簿をつけろって、りっぱなのを買ってきました。私がつけていると手の動きでわかるんでしょ、「お前、計算違ってるぞ」って。そんなふうに仕込まれちゃったから、今でも持っているお金と計算とが一緒じゃないとだめなんですよ。日記も毎日書いています。やはり、ダンナを持つなら厳しい人がいいです。何でもいいわいいわのダンナだったら、女なんかずうずうしいからね、勝手にやってだめですよ。


『おばあちゃんからの聞き書き 明治・大正・昭和の食卓』(グラフ社)

 

でもさすがのオコジョさんも、贔屓の球団が負けると、派手なため息をついてしょんぼりしています。