『SHERLOCK(シャーロック)3』 第1回「空(から)の霊柩車」 感想
(ネタバレあり)
私は彼の腕をつかんだ。
「ホームズ!」とさけんだ。「ほんとうに君なのか。おどろいたなあ、君が生きていたなんて。あのおそろしい谷底から、どうやって這いのぼることができたんだ?」
『シャーロック・ホームズの生還』「空家事件」コナン・ドイル(東京創元社)
ホームズが帰ってきたときの、原作ワトソンのリアクションはこのようなもので、気絶はしますが、怒ってはいません。
でも怒るよね。
心配して、哀しんだ分だけ、そりゃあ怒るに決まってるべ、というわけで、サードシーズン第1話は、シャーロックが彼なりに一生懸命謝って、ジョンが何とか「許す」と言葉にするまでが、まるごと90分かけて描かれており、今まさに国会議事堂が爆破されそうになっているのですが、それすら利用して許してもらおうとするシャーロックも相変わらず軌道から外れています。
それにしても、こんなふうに丁寧に心情を追っていただけるなんて、本当に有り難いなあ。
レストレード警部との再会シーンは泣きました。
モリーを助手に据えて捜査しているのに、「まったくだよ、ジョン」と言ってしまうシャーロックにも泣きました。
録画して倍速視聴が基本のワタシも、今回ばかりは、キャラクターの心情を思っては泣き、泣いては一時停止を繰り返しながら見ていたため、えらく時間がかかってしまいました。