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アネモネ手帖

小説家・三木笙子のブログ

淑女のたしなみ : 『イタリア遺聞』塩野七生(新潮社)

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ダニエリといえばヴェネツィアの最高級ホテルで、せめてロビーでお茶くらい飲みたいと思って足を踏み入れたものの、雰囲気に怖気づいてすぐ逃げ帰ってきたという切ない思い出があります。

 

私の書くものの性質上、同じテーマについて書かれた現代の作家の作品にも一応眼を通すことにしているが、英米仏の彼らの作品が私のよりも有名なのは、彼らが国際語で書いているからでしかない、と思わざるをえない場合がしばしばある。英訳されても恥かしくない作品を書こうと心がけているというのに、有名度に差が存在するだけでなく、取材の環境にまで差がつくとは、気勢がそがれるというものではないか。
それで、
「この次は、断然、ダニエリに泊る!」

 

イタリア遺聞』「ヴェネツィアのホテル」塩野七生(新潮社)

このエッセイが書かれた時期からさかのぼること約二十年前に、アメリカの女性作家がダニエリに泊まったと知ったときの塩野先生のリアクションです。

 

なんて愛らしいんだ!

 

負けん気さえも可愛く見せて(書いて)こそレディーってものでしょうか。
塩野先生の定宿は、「緑あふれる小さな中庭のある、一時代昔の落ち着いた雰囲気の漂う、聖マルコ広場にほど近い、明るくて可愛らしいホテル」なんだそうで、ダニエリも憧れますが、こちらにも泊まってみたいものです。
ご利益で筆力が上がるかもしれぬ。

 

イタリア遺聞 (新潮文庫)

イタリア遺聞 (新潮文庫)

 
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