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アネモネ手帖

小説家・三木笙子のブログ

寒い夜の鍋焼うどん

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今日、オコジョさん(夫)と一緒に帰ってくる途中で、おそば屋さんの前を通りかかると、ちょうど中から鍋焼うどんと思しき小ぶりの鍋をお盆に載せた店員さんが出てきました。

 

ワタシ「出前だ出前だ」
オコジョ「いいですねえ」

 

お盆はカブで運ばれていくところでした。
二つあったから頼んだのはご夫婦かもしれません。
そうしてこたつにでも入って一緒にうどんを食べるのでしょう。
ワタシは宅配ピザも大好きですが、さすがにこの寒い季節の風情までは連れてきてくれません。

夜の売り声のぴか一は鍋焼うどんの流しであった。「なべやァき…うどん、え、うどんやァい……」と長くひいた呼び声は、乾いた冬の街によく響いた。(中略)うどん屋は「はい」とばかりに七輪に枝炭を二、三個手早く入れ、そこに材料を仕込んだブリキ製の鍋をかけ、渋うちわで勢いよく煽ぐと、火の子がぱちぱちと撥ね、火勢が強くなって、しばらくすると出来あがりである。手拭を肩に引っ掛け、杉の割箸を前歯で押さえて割り、熱いのをふうふう云いながら食べるのも冬の醍醐味だ。


『明治の銀座職人話』野口孝一編著(青蛙房

明治の銀座職人話 (青蛙選書)

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