アネモネ手帖

小説家・三木笙子のブログ

「執念深く自己の幸福を探していた」 : 『3:1の法則』バーバラ・フレドリクソン(日本実業出版社)

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いい気分などわずかな間しか続かないのに、それが人生において何の役に立つのか――という難問に対する回答がこの本です。

 

嫌な気持は強烈で、後になっても繰り返し繰り返し現れます。
でもその理由は素人でも分かる。
人類の祖先が生き延びるにあたって、何が危険かを覚えておかなければ命の危険にさらされただろうからです。
しかし「いい気分」は何のために存在するのか。
生きていく上で、それはどんな貢献をしてきたのか。

「それまでの感情心理学は、ほぼすべてがネガティビティに集中していました。抑うつ、攻撃性、不安などのネガティブな心理と、それらが引き起こす病的症状に関するものでした。しかし私は違う道を選び、「ポジティブな心の状態」、たとえば喜び、安らぎ、関心、愛などを研究することを専門としました。これは感情心理学では今もって珍しい分野です。」


『3:1の法則』バーバラ・フレドリクソン(日本実業出版社)

まず何より、幸せになるための方法を科学的に研究している方がいるんだということにびっくりします。
でも、いいですね。
人の感情などという掴みどころのないものを正確に測ろうとするその情熱に惹かれます。

「自分は今まで自己の幸福を求めて来たのではなく、世界の意味を尋ねて来たと自分では思っていたが、それはとんでもない間違いで、実は、そういう変った形式の下に、最も執念深く自己の幸福を探していたのだということが、悟浄には解りかけて来た。」


山月記・李陵』「悟浄出世中島敦岩波書店

でもそれは、執念深く追求する価値があります。
具体的な方法は『3:1の法則』をお読みいただくとして、それにしても中島敦の文章はいつ読んでも気分がいいなあ。

 

ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則

ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則

 
山月記・李陵 他九篇 (岩波文庫)

山月記・李陵 他九篇 (岩波文庫)

 

 

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