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アネモネ手帖

小説家・三木笙子のブログ

幸福とは努力の結果手に入るのではなく天から降ってくるものである : 『ことばコンセプト事典』(第一法規)

資料

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「幸福」とは「あらゆる努力の最終目標」である。

 
平成4年に第一法規出版株式会社から発売された『ことばコンセプト事典』に書かれた「幸福」のコンセプトです。

わが国初の「概念」の事典。「愛」「愛国心」「医」から「わび・さび」「笑い」に至る186項目に亘っており、英・独・仏・羅・希などの語源を詳しく扱う他、定義、類語・関連語、歴史、ことわざ・名言・引用句、文献・芸術関係などから概念を照射する。

www.amazon.co.jp

私はこの事典を言葉のキャッチコピー集のようだと思っています。

目次を読んでいるだけで楽しいのですが、たとえば、

愛…情熱と秩序の葛藤
裁判…真実への飽くなき挑戦
散文…最も多くの愛好者を獲得した文体
茶…歴史を動かした嗜好品
呪い…不幸への渇望
ロマンス…物語世界を占拠した恋愛の旋律

簡潔で美しいですね。
厚さ7.5センチもある事典ですが、折に触れて読み返しています。


さて、冒頭に挙げた「幸福」ですが、まず文字の意味から説明が始まります。

「幸福」を意味する最も一般的な英語はhappinessだが、もちろんこれはhappyの名詞形である。happyは14世紀の末頃から使われ始めた語で、「偶然、運、幸運」を意味する名詞hapからつくられた形容詞である。したがって、元来happyは「幸運な」という意味で、外的な状況やめぐり合わせが自分にとって好都合であることを表していた。

 

漢字の「幸」は、手にはめる手かせを描いた象形文字で、もと「手かせ」の意味である。手かせをはめられる危険を危うく逃れた、そこから、思いもよらず運よくはこんだの意となり、のち広く幸運の意に拡大して用いられた。

 

「幸福」を意味する大和ことばである「さち」「さいわい」「しあわせ」は、かなり古くから使われている。『古事記』(712)では「魚、鳥、獣などの獲物をとる霊妙な力」「その力のある道具」の意味で「さち」が使われている。


幸福というのは努力した末に手に入るものだと思っていたのですが、文字の元々の意味は「運がいい」とか「生まれつき」ってことなんですね。
だったら幸福になりたければ、運を強くすればいいんじゃないの!?


オコジョさん(夫)「だからといって努力しなくていいということにはなりませんよ」


サボる言い訳にはならないのでした。

 

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