アネモネ手帖

小説家・三木笙子のブログ

美の引力 : ミュシャ展「国立新美術館」

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先日、国立新美術館で開催中のミュシャ展に行ってきました。
「スラヴ叙事詩」がチェコ国外で初公開!
めちゃくちゃ混んでるんだろうなあ……と思い、GWは外して平日に行ったのですが、

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分かりますか? 一階のホールにうねうねと列が並んでいるだけでは足りなくて、玄関の外まで並んでるんですよ。
30分待ちでした。
さすがはミュシャ、もちろん私もご多分に漏れず大好きです。


「スラブ叙事詩」は大作で、壁一面を埋め尽くしている様はそれだけで圧倒されます。
何を描いても美しく静謐なミュシャなので、どんなに人がごったがえしていても、絵を眺めていると心の中がしんと静まり返るようです。
そんな中でワタシが場違いにも笑ってしまったのは「ブルガリア皇帝シメオン1世 スラブ文学の明の明星」で、招聘した学者たちに写本を作らせている絵なのですが、画面いっぱいに紙が散乱していて、何となく締め切りに追われている作家さんとその尻を叩いている編集さんみたいでした。
何か必死に紙に書いている人を見ると同情というか共感というか、奇妙な親近感がわきます。


ところで今回は撮影可能エリアがありました。

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「スラブ叙事詩」はこんなふうに、絵を見ている人間をまっすぐに見つめている人物が前面に置かれていることが多いです。
物凄い目力で、「何見とんねんわれ」ではなくて、「貴方は何故生きているの?」と聞かれているような気がします。


さて、ミュシャといえばアール・ヌーヴォー
「ジスモンダ」とか「ハムレット」とか「蛇のブレスレット」なんかがずらりと並んでいて、この展示室はまったく人が動かねー!
しかしそこは、普段は役に立たない六尺近い長身と、昔取った杵柄でガン見してまいりましたよ。
私はミュシャの何が好きって服のシワが好きです。
アール・ヌーヴォーの作品群は堺市の所蔵)

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私が展示室を出た後も、なおも途切れぬ列の図……。
せめて図録くらいは買おうと思ったのですが、ショップもまた心を叩き折るような大行列で諦めました。
でも、30分くらいでピーピー言ってるワタシは甘い。
友人のKさんは鳥獣戯画展で、入るまで60分、入ってから120分待ったと言ってました。
でも、美しいものを見るために人が集まっているのはいいことだと、「サロン・ド・テ ロンド」でサンドイッチを食べながら満足に浸っていたのでした。

 

【三木笙子プロフィール】

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デビューした時から「仕事や勉強の後にほっとした気持で読むことができる小説」を目指してきました。

読者に「優しくて暖かな雰囲 気」「心地よい哀しみと快い切なさ」「読後感の良さ」を提供したいと思っています。

好きな作家は辻邦生平岩弓枝浅田次郎

 

★「三木笙子の新刊・既刊」に三木笙子の詳しい仕事情報をまとめています

 

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