アネモネ手帖

小説家・三木笙子のブログ

この男になら命もかける

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現在、我が社は建て替え中です。
本社ができるまでの数年間、仮の建物で営業をしていますが、やはり仮は仮、あれこれと言いたいところが出てきます。

朝っぱらから、

床の汚れは取れないし目立つしと、ぶーぶー言っていたところ、ある男性(六十代)が黙々と掃除をしながら、

「そうは言っても、借りている所だから綺麗に使ってあげたいね」

イケメン……!
なんという優しい声なのか。
そして言葉に溢れるこの愛よ!


朝から胸が震えました。
もしこの建物が女性なら、瞬時に恋に落ちる!
あんたなんかホントたいしたことないし、まあ一時しのぎだからしょうがないんだけどさーと、皆から文句ばかり言われている人が、そんな優しい言葉をかけてもらったら、思わず命だってかけちゃうよ。

「そんなの普通だよ、普通」

この男性はそうおっしゃるのですが、奥様の命を救ったのが二人のなれそめという、フィクションのようなエピソードに溢れた方です。


で、悪ガキなんですよ。
面倒見のいいガキ大将といった方で、そんなのいまどき「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」通称「ワシントン条約」の附属書 I並ですよ。
そんなSさんの足元にも及ばないとしても、ワタシも心をこめて掃除をしようと思いました。

 

【三木笙子プロフィール】

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デビューした時から「仕事や勉強の後にほっとした気持で読むことができる小説」を目指してきました。

読者に「優しくて暖かな雰囲 気」「心地よい哀しみと快い切なさ」「読後感の良さ」を提供したいと思っています。

好きな作家は辻邦生平岩弓枝浅田次郎

 

★「三木笙子の新刊・既刊」に三木笙子の詳しい仕事情報をまとめています

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